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スピードスケート | 滑るメカニズムを考慮した練習


昨日の投稿について、
たくさんの方からお問い合わせがございました。



こういった研究分野は、
好奇心やアンテナを高くしておかないとなかなか気づけないことですので、
たくさんの方から感謝のお言葉をいただけました。
「こういった情報発信してよかったな、、、」と思いました。
ありがたいことです。




皆さんがよく知る超トップチームの方から、
これを踏まえた練習についてお問い合わせをいただいたので
皆さんにも参考になればと思います。





スピードスケートの記録(ラップタイムも同じ)は
何によって構成されるかというと、
大きくは3つです。




1.フィジカル
2.道具
3.氷音




この3つです




フィジカルは言わずもかな、
「体力」や「筋力」ですね。
死ぬほどのトレーニングを幾度と重ねて
強化するしか方法はありません。
スポーツにおいては一番わかりやすい指標かと思います。




2つめにブレード。
これは昨日の記事で書いたように、
スピードスケートは遠心力に抗うことで加速していくので、
この「抗う力」のために、
ブレードのグリップ力を高めなければならず、
これを可能にするのは日々の研磨とメンテナンスに尽きること。



そして、いかに摩擦抵抗を少なくするかということで、
滑らかな滑走面、ブレード側面がものすごく大事であること。



こちらを昨日ご説明させていただきました。




この2つについては、
コントロール(制御できます)




つまり、
「今日はちょっと、足が張ってるな」とか
ご自身の体調がわかるかと思います。
ブレードについては、練習前に研磨すれば最良の状態にすることができます。
ロックやサイド研磨はメンテナンスしたときにすべて決まっています。
ということです。





しかし、
「氷温」は判断することが難しい項目です。



つまり、
「今日は滑る氷なのかどうなのか?」というのを、
その日のベンチマークラップなどで判断する必要があるということです。




何を申し上げたいかというと、
当日の氷温による「氷の滑走性」を知らないまま毎日毎日ラップ〇秒で〇周などと練習メニューを組んでしまうと、
滑らない氷温の日だと、
「ラップを上げなきゃ」とばたばたした動きを誘発してしまい、
スケートフォームを崩しかねないですよ?ということです。




ウォーミングアップのラップタイムを取ったり、
序盤の練習メニューで、
「今日は〇〇選手で〇秒くらいのラップしかでないな」というのを参考に、
練習メニューを組む必要があります。





「滑走性」が高い日はむしろよいです。
滑ってラップタイムがでますから、
設定されたラップが楽にでますので、
力が抜けた良い滑りができることかと思います。
良いスケーティングフォームを習得できるかと思います。





ただし、この場合も注意が必要で、
良いラップや、良いタイムがでたのは、
「氷温」がよく「滑走性」が高まったから、
という認識ができていないと、
「フィジカル」や「ブレード」によるレベルアップと勘違いしてしまい、
試合当日、「氷温」が悪く「滑走性」が低い氷のときに、
期待していたタイムがでない、ということもあり得ます。
この勘違いにより、
本当は合っていた「スケーティングフォーム」や
本当は合っていた「ブレード」や「ブレード加工」にもかかわらず、
それらをいじってしまい、
泥沼にはまってしまう、、、




こういったことはスケート以外でもよくあることですので、
ものすごく注意しなければなりません。




メカニズムを理解するということは、
ものすごく大事なことですので、
こういったことにも興味をもって取り組まれれば、
成長速度というのは各段に早くなりますよ。



ご質問等ございましたら、お電話でも深夜0:00まで受け付けておりますので遠慮なくご連絡いただければと思います。





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スピードスケート専門店 Speed Star
店長     : 中山 久美
電話番号   : 050-5534-5640 
(不在の場合はメッセージを残しておいて頂ければ必ず折り返します)
メール     :  info@office-speedstar.com
お得な
メルマガ登録 : http://goo.gl/FRJPR
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ショップURL :  http://office-speedstar.com/
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スピードスケート | 氷の上を物体が滑るメカニズム

昨日のブログを送りましたら、
たくさんの御返信をいただきました。



私以上に皆さん悩まれているんだなと思わされました。



そういえば、
このブログで取り扱っていませんでしたが、




滑るメカニズム について、
2018年に解明されましたね




当時ものすごく震えました。




当初は、水分子を生み出すために、
摩擦により氷を溶かす。
圧力により氷を溶かす。
という説が随分と長く言われており、




圧力で氷を溶かすという考え方から、
「乗って滑る」という指導が確立されてきたかと思います。




この研究結果で判明したことは、
外力で氷を溶かしているというこれまでの予想は全く異なっており、
氷の表面に滑る水分子が存在するということです。





なので、氷にただ単に”乗る”ということでは、
滑走性が増大されて推進力が上がるということはまったくなく、
氷温により滑走性は決まるということです。
研究結果ではマイナス7度が最も滑る氷ということです。





スピードスケートの世界でも、
”マイナス7度が一番スピードがでる”というのは、
経験則で皆さんご存知のようです。





滑らすためにフォームやパワーをどうこうするということは、
無意味ということがわかっただけで大興奮です。





では、スピードを出すためには何をしなければならないのか





「加速」と「低摩擦」ということになります。







「加速」については、
遠心加速度をいかに利用するかにつきます。
ハンマー投げのハンマーの加速と同じ原理ですね。
ブランコの加速も同じ原理だと思います。





引っ張られる力を強めれば強めるほど、
物体は加速していくということです。





スピードスケートでは、
バンク角度をを付ければつけるほど加速していくということです。
直線でも、発生している遠心力に対して、
最大効率方向に力を加え、その時間が長ければ長いほど、
加速していくわけです。



そのための絶対条件は、
抗う力、つまりグリップ力、
要は、
「鋭いエッジ」をつくることです。




そのためには、
これまで何度も何度も何度も、
このブログやお電話、メールで申し上げてきた
”研磨”作業がものすごく重要な役割を担うということです。



しっかりと研磨して、
鋭いエッジを確保し、
遠心力に抗うことで、
しっかりと加速します。




そしてもう一つ、
ブレードそのものが摩擦をできるだけ受けない状態にする。
ということです。



わかりやすくいうと、
ロックとブレード側面を綺麗に仕上げる、
ということです。





これは我々技術者に求められることですね。
これも、何度かブログで紹介させていただき、
数多くのオリンピック選手に施工してきた、
世界中で当ショップでしかできない究極の加工である、
サイド研磨加工の有効性が証明されたことになります。





また、ロックやブレード側面の滑らかさの管理も
これまで以上に重要になってきますので、
ダイヤルゲージ等による
”ブレード管理”
も非常に重要な管理作業と言えます。





この論文が発表されたときの興奮はものすごいものでした。





思い出したので書いてみました。
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スピードスケート | 2022/2023シーズンも終盤

寒い日が続きます。
ニュースで北海道の気温をみると、
すごいな、、、と思わされます。


現役時代を思い出すと、
寒さはまだなんとかなった記憶です。



風、、、ですよね、、、



足を動かしても前に進まない、
ラップもどんどん落ちてくる。
どのラップで滑れば良いかわからないから、
身体がばらつく
変なフォームを覚えてしまう




指導者の腕の見せ所です!!
今日はラップ〇〇でいいぞ!!と
状況に応じた練習メニュー、
強度を設定できると見違えるほど練習効果が上がりますので!




中盤戦が終わってきましたね。
高校生や2月末の高校選抜
中学生は2月上旬の全中
シニア、大学生はローカル大会を消化しながらエムウェーブファイナルを迎える




こんな感じですかね




これは毎年申し上げていることですが、
主要大会が終わったら、
来年に向けての取り組みに”切り替える”ということが大事です。




”フォーム”と”道具”の競技ですから、
常にこの二つをカスタマイズしながら、
身体をアジャストしていくことになります。




今朝テレビでサンデーモーニングを見ていたのですが、
プロ野球の山本由伸投手も、
さっそくフォームを変更して、
WBCに向けて更なる安定性を求めているとのこと



具体的に申し上げると、
高く上げる左足を低くする といったことのようで、
コメントしていた上原浩二さんも、
大きな変更と仰っておりました。



上原さん自身も、
現役時代は毎年フォームを試行錯誤しながら取り組まれていたと
仰っていました。




野球もスケートも、
フォーム競技ですから、
パフォーマンスを上げるための試行錯誤は引退するまで、
なんなら引退してからもずっと試行錯誤し続けることなのかなと思います。




考え考え考え続けていると、
往年の選手のすごい技術にきづくことができますので、
古き良き技術の取り入れにも役立ちます。




さあ、終盤もがんばりましょう!!
われわれもたくさんご依頼いただいたブレード加工待ちが、
やれどもやれども減らないですので、
一緒に頑張っていきたいと思います!!




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スピードスケート | さあ後半戦のスタートです

寒いですね、、、


images.jpg



寒さについては


太陽の有無
風の有無

が大きく影響しますね


現役時代も長野県の松原湖や茅野、岡谷での合宿や、
釧路や十勝、三沢での国体などで、
ロングトラックに取り組む際は、

曇、風、、、こういう天候での練習は本当に寒かったなぁと覚えています。




とはいえ!!
条件はみんな一緒ですから!!
がんばるしかないですね




当初所属していたチームの監督はいつも
「1周でも多く滑ったものが勝つ」と口癖のように言っていました。




「効率的」とかいろいろ言葉ありますが、
この言葉はいつも大事にして練習に取り組んでいました。




「あー、このヒトには勝てないな、、、」と思った評価指標も、
「あー、この人は私よりも多く滑っているな、、、」と感じていました。




1に練習、2に練習、3に練習、
量は基本の基本です。




そして、その量をこなすためには、
「回復」や「怪我しない」など、
こういったメンテナンスやケアというものがものすごく大事になってきます。





単に「練習」と言っても、
考慮することは非常に多いですので、
是非是非、この「練習」という言葉を突き詰めて、
取り組んでみてください。
必ずレベルアップしますよ!!




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スピードスケート | 2023年謹賀新年


あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。



images.jpg



昨年は北京オリンピックに始まり、
激動のスタートでした。
オリンピック終了後、
小平奈緒選手の引退があり、
これもまたオリンピックだなと思いながら見ていました。





「やはり、スピードスケートはオリンピックに始まりオリンピックに終わるんだな」と
改めて強く「オリンピック」というものを意識させられました。





学生の大会や、
世界選手権とは違い、
オリンピックは4年に1度、
重みや覚悟も違います。




競技は違いますが、
カタールワールドカップ大会終了後、
堂安律選手が
「年明けから、辛い日々が、本当に辛い日々が続くと思うんですけと、このため(ワールドカップ)なら頑張れます。」と
仰っておりました。





「覚悟」
まずはこの一言からすべてが始まるんだなと思いました。



オリンピック終了後、
たくさんのTOP選手から現役続行の報告や決意をいただき
それぞれの思いに改めて応えていかねばと刺激をもらいました。
次回のオリンピックに向けて、ブレードを見てほしいとご依頼が多くございました。




当ショップがお願いしている間違いなく世界一といえる研磨師の方と
よく話すのですが、
毎回毎回のオリンピック後に、
もうやめようかなと思うことも多いのですが、
こういった言葉があるから続けれていると申しております。





ミラノ・コルティナオリンピックまで
あと3年。
オリンピックを目標にしている選手は、
間違いなく「もう3年しかない」でしょう。
「まだ3年もある」なんて思っている選手は一人もいないことでしょう。




「もう3年しかない」と思えているからこそ、
時間の重みを実感し、
1日1日、瞬間瞬間の過ごし方が変わってくるかと思います。





年が明け、
全中やインターハイ、国体といった国内大会もございます
これらの大会を目標にしている選手も多くいらっしゃるかと思います。




しっかりと練習や体調、道具と向き合い、
納得いく状態で臨めるよう努めていただければと思います。





今年もどうぞよろしくお願いします。
私どもできること些細なことかもしれませんが、
道具、メンテナンスについては、
魂を込めて全力で取り組みますので。






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